マーチンゲール法からココモ法と、システムベッティングをそれぞれにオンカジで試してみた結果、俺個人の軍資金事情的には「ハイリスク型」の戦略ではなく、「リスクが少なく負けにくい戦略」が何よりも望ましい、という結論に落ち着いてきた。
そこで、「リスクが少なく負けにくい戦略」を調べていった結果、俺の軍資金事情とも合うよさげなシステムベッティングとして浮上してきたのが「ダランベール法」だ。
18世紀の数学者ダランベールの理論をもとに考案された投資法が、オンカジの戦略としても採用されたのがダランベール法だが、この戦略を一言でいうなら「長期戦を想定している」といったところだ。
「長期戦になるほど利益が得やすい」ともいわれるダランベール法は、家に帰る時間を延ばすためにできるだけ長くオンカジを遊びたい上に、軍資金もそれほど潤沢ではない俺のようなオンカジのプレイヤーであれば、絶対におさえておくべき戦略であるだろう。
今回は、そんなダランベール法の少しばかり入り組んだシステムを解説しながら、オンカジにおけるダランベール法の可能性を探っていくことにしよう。
1ゲームごとの勝敗に応じて賭け額を1単位増減させる戦略
ダランベール法は「1ゲームごとの勝敗に応じて賭け額を1単位増減させる」というシステムでベットしていくオンカジの戦略で、2倍配当のゲームで使用することができる。
ダランベール法は「勝った場合は賭け額を1単位減らす」「負けた場合は賭け額を1単位増やす」という賭け方を継続することによって、損失を抑えながら少しずつであれ利益を確保していくシステムになっている。
ダランベール法は、勝てば勝つほどに賭け額が減っていくシステムである以上「連勝で利益が落ちる」というデメリットが発生することから、大きな利益を欲しているオンカジのプレイヤーからは敬遠されてしまう戦略だが、「負けすぎない」ことを前提にしているオンカジのプレイヤーからは重用されている戦略である。
ダランベール法は「失ってもいい軍資金」を設定するところから戦略の使用が開始される戦略でもあるため、「軍資金以上の賭けを禁じられる自己管理能力が高いタイプのギャンブラー」の思考が戦略化している、というような特徴を持っている。
「大負けを大勝ちで取り戻そうとするギャンブラー」の思考が戦略化されているのがマーチンゲール法であるが、ダランベール法はまさにマーチンゲール法とは「対照的な戦略」であると考えることができるだろう。
ダランベール法を使ったシステムベッティングの流れは、大きく四つの手順に分けられる。その手順は以下になる。
- 基準となるスタート時点の賭け金を決める
- 勝敗に応じた「1単位」の増減額を決める
- ゲームをして勝敗に応じて次回ベット額を増減させる
- 勝敗に応じたそれぞれの「やめどき」に到達する
ここからは、この四つの手順を一つ一つ、流れに応じて見ていくことにしよう。
基準となるスタート時点の賭け金を決める
まずは、はじめの手順である「基準となるスタート時点の賭け金を決める」だ。
このとき、「スタート時の賭け金」を多く設定するほどに「連勝」が続いた場合に訪れる「やめどき」での利益が大きくなるが、「連敗」が続いた場合の損失も大きくなる。つまり、リスクが増える。
「スタート時の賭け金」が少ない場合、より簡単に「連勝によるやめどき」に到達しやすくなり、損失もおさえられるが、その代わり大きな利益を得ることはできない。リスクは減るが、リターンも減る。
「スタート時の賭け金」を設定するにあたって決め手となるのは「軍資金」である。「どの程度までは軍資金を失ってもいいか」が、そのままダランベール法の「スタート時の賭け金」を決定するといっていい。
どのような戦略をとるかによって人それぞれではあるのだが、基本的には「使用できる軍資金の10%以下をスタート時の賭け金にする」のが、オンカジでのダランベール法においてはセオリーとなっている。
使用できる軍資金の上限が100ドルだった場合は「10ドル以内」に基準を設定するのが好ましい、ということになる。
勝敗に応じた「1単位」の増減額を決める
続いて、「勝敗に応じた『1単位』の増減額を決める」という段階に移る。
ここでは、基準となった「スタートの賭け金」とは別の、「二つ目の基準」が設定されることになる。
このとき「増減額」を大きく設定した場合、ダランベール法は「短期戦」に寄り、少なく設定した場合は「長期戦」に寄っていく。
「増減額の設定」は、オンカジでどの程度の時間遊びたいか、また、軍資金の増減をどのくらいまでおさえて緩やかにしたいかなどを考慮し、プレイスタイルに合わせて設定するのがコツである。
なお、この自分で決める「二つ目の基準」はゲームのなかでしっかりと守る必要がある。「やめどき」を迎えるまでに、もしゲーム中にこの「増減額」を恣意的に変更した場合、ダランベール法のシステムが破綻して戦略的な賭け方ではなくなってしまうため、注意したいところだ。
ゲームをして勝敗に応じて次回ベット額を増減させる
二つの基準を決定したら、あとは実際にオンカジでゲームを行って、基準に則って「勝敗に応じたベット額の増減」を行うだけである。
今回は「軍資金100ドル/基準額10ドル/変動額1ドル」という設定で勝負をした場合の、勝ったときと負けたときのそれぞれの流れを見ていくことにしよう。
まず、一回目の勝負で勝利した場合、「変動額1ドル」に応じて次回ベットでは「残りの90ドルの軍資金」から「9ドル」をベットする。
敗北した場合はこれがそのままひっくり返り、「変動額1ドル」に応じて次回ベットでは「残りの90ドルの軍資金」のなかから「11ドル」をベットする。
勝敗に応じた増減を通して「100ドルの軍資金」の範囲内でベットを繰り返し、軍資金の残額や、利益、損失などのそれぞれの状況を見て「やめどき」を判断してゲームを降りる、というのがダランベール法を使ったベットの一連の手順ということになる。
勝敗に応じたそれぞれの「やめどき」に到達する
ダランベール法は、自分で判断する「やめどき」とは別に、勝敗に応じたそれぞれの「決定的なやめどき」も存在しており、「決定的なやめどき」に到達した場合はその時点で戦略が終了し、リセットされる。
まず、オンカジで勝利した場合の「決定的やめどき」は「賭け額の減少で、賭け額がゼロになる」というタイミングである。
「軍資金100ドル/基準額10ドル/変動額1ドル」で連勝した場合、賭け額が「10→9→8→7→6→5→4→3→2→1→0」になる10連勝をした場合、なかば強制的にダランベール法を使ったベットはそこで「終了」である。
継続したい場合は、新しく「基準」を設定し、リセットして最初からダランベール法でのベットを行う。
続いて、オンカジで敗北した場合の「決定的やめどき」は、いうなれば「ドボン」であり、「賭け額の増加で、賭け額が軍資金の限界に到達した」というタイミングがやめどきとなる。
「軍資金100ドル/基準額10ドル/変動額1ドル」で連敗した場合は、「10+11+12+13+14+15+16」と、6連敗の段階で合計「91ドル」が消費されることになり、次のベットで「上限」を超えるため、ここで「ドボン」となり、ダランベール法でのベットは終了となる。
この場合も、ダランベール法を続けたいならば、リセットして新しい基準を設定してやり直すということになる。
しかし、この「決定的やめどき」はあくまで「決定的なやめどき」でしかなく、ダランベール法は実際は「自分のタイミングでやめどき」を決める戦略である。
今回は説明をわかりやすくするために「賭け額の消滅」か「ドボン」かという極端な2択に絞ったが、実際のゲームの流れでは「10連勝」と「6連敗」だけが結果になるということは少ない。
ダランベール法は「勝ち」と「負け」を繰り返しながら「賭け額が消滅する前」にやめてもいいのだ(この場合は勝ち逃げとなるだろう)。
また、「勝ち」と「負け」の連続のなかで「軍資金の限界」に到達することの方がむしろ多く、実際にはその「曖昧な着地点のやめどきでの利益や損失」こそが、「ダランベール法で獲得できる最終的な利益や損失」である場合がほとんどである。
重要なのは「失ってもいい軍資金以上は賭けない」ということであり、このルールだけはしっかり守らなければならない。
ダランベール法を使ってみてわかったメリットとデメリット
さて、実際にダランベール法をオンカジ使ってみて「ダランベール法のメリットとデメリット」がそれぞれ体感として理解されたので、それを紹介していこう。
まず、ダランベール法のメリットだが、なんといっても「軍資金以上の賭けができない」という点が最大のメリットであると言えるだろう。
とりわけ、自己管理能力が低く、予算以上の金銭を賭けてしまうタイプのオンカジのプレイヤーには、自分自身への「枷」としてダランベール法を使うことをオススメしたいくらいだ。
俺個人としては「借金ができない」「給料の余剰資金の分しか軍資金がない」という事情と相まって、性格とプレイスタイルにぴったり合う戦略だといったところだろうか。
もう一つ、体感的に理解されたメリットとしては「ダランベール法でのベットを長期的に続けるほどに、勝ち負けが半々に接近していく」というものだった。
これはあくまで体感ではあるのだが、自分でのやめどきの判断や「軍資金的事情での決定的やめどき」を繰り返しているうちに、勝ちと負けの比率が大体半分くらいになっていて「トータル引き分け」か「ちょっとした負け」か「ちょっとした勝ち」という地点に最終的に落ち着いていたのは、少しばかりの驚きがあった。
「理論としての勝率50%」ではなく、「体感としての勝率50%」というのが、ダランベール法の大きな特徴であるのかもしれない。ここもまた、マーチンゲール法との対照的な部分であると感じられる。
デメリットとしては、やはりどうしても「大きな利益」が出ないということと、連敗してしまった場合はしっかりと「損失」が上回るということだ。
とはいえ、「損失」が出てしまっている場合でも、「決定的なやめどき」があるおかげで「想定以上の損失」にならないところは、ダランベール法のメリットといえるだろう。
もう一つのデメリットとしては、2倍配当の勝率50%(とされている)のゲームでしか、ダランベール法を厳密に使うことができないという「ゲーム幅の狭さ」が挙げられるだろう。
ダランベール法が、より多くのゲームに応用できれば、俺個人としては助かるのだが、俺の数学的理解が浅いこともあって、応用の方法がうまく見つからなかった。これは今後の課題かもしれない。
戦略としてのダランベール法まとめ
- 少ないリスクで長期的にオンカジが遊べる戦略
- 軍資金の上限に応じてやめどきが決まる
- 大きな利益がないかわりに大きな損失もない
オンカジの戦略としてのダランベール法については以上になる。
ダランベール法は「無謀ではない」という点で優れた戦略だといえる。ダランベール法のユニークさは「軍資金の限界」を決めてから「やめどき」までが戦略に含まれているところにあるだろう。
ただし、1回1回のベットのスリルを味わいたかったり、軍資金をとにかく増幅させたいと考えているプレイヤーからすると、あまりに保守的で刺激の少ない戦略であることも確かだ。
ダランベール法は、俺のように「借金は絶対に回避したい」というオンカジのプレイヤーには当然オススメだし、「オンカジで遊びたいが、オンカジで遊ぶにはちょっと懐が寂しい」という金欠のオンカジのプレイヤーが、軍資金を抑えながらシステマティックに長時間オンカジを遊ぶ方法としてもオススメできる。
自己管理能力の訓練としても、一度ダランベール法を試して、システムに身を任せてみるのも一興ではないだろうか。